Uncategorized キコリスキッチン・勘クッキング Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ パパが作る家族のための勘クッキング! 息子二人、妻一人の4人家族パパ。 おいしいものをその時の勘で作りたいだけでレシピなんて・・ありませぬ。 その時々の勘がすべ …
Uncategorized ラテラテチャンネル・犬のこと Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 2年暮らしたオランダで出会い、一緒に帰国した白モフ犬ラテ。 スイス・ホワイト・シェパードの女の子♀です。 まだまだちょっかい盛りの40代パパのちょっかいを、めんどくさ …
小説トップページ 『アイアイの大冒険』公式まとめサイト Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 小説:アイアイの大冒険公式サイト。 どうもこんにちは、日下沢 樵ひかさわ きこりです。小説:アイアイの大冒険公式サイトへようこそ。 『アイアイの大冒険』は主人 …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑳ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ アイルは診断室の白い天井を見上げたまま、先程、聞いた小さな声を思い返していた。 ――「アイル…ダイジョブ…ブブブ…ダイジョブ」 胸のあたりで光がふるえる。膝に乗ったモ …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑲ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 扉の向こう、図書室の空気が揺れている。扉の向こうの空間に、羽音が静かに混じっていく。 「……来ましたね。ふー……探しています」スペーラーが扉に耳を当てて言った。 「ど …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑱ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ シーカーは、ただ走っていた。どこへ向かっているのかもわからないまま、ただ追い立てられるままに。 背後から、羽ばたきと金属の擦れる音が迫ってくる。 「侵入者、北側回廊に移動! …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑰ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 光の中を漂い、浮いた体は何度、回転したのだろうか。眼前を覆いつくす青白い光がはじけた瞬間、シーカーは背中から着地した。痛みを堪え、勢いよく体を起こし、あたりを見回す。 胸が …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑯ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 「そうです。その仲間の名前がシーカーです…」アイルは泣き出しそうな声とともに言った。 簡易診断室は、白い石壁に囲まれた静かな部屋だった。天井の淡い光が脈打ち、部屋全体に柔ら …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑮ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ アイルはメリウス先生のあとを歩いていた。学舎の廊下はひんやりと冷たく、まるで建物そのものが静かに息をしているようだった。 壁際には古い書物と器具が並び、棚には研究員たちが扱 …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑭ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 落下する、というよりも――浮かんでいた。重力の感覚が消え、足も腕も、身体そのものの輪郭さえ曖昧になる。光だけが流れ、色だけが揺れ、耳の奥で風のようなものが鳴った。 やがて― …
第一章 アイアイの大冒険 第一章⑨【第一章 完】 Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 誰かが、図書館の前で立ち止まっていた。アイアイはその建物を見て、思わず駆け寄った。 「……図書館! 情報があるかもしれない!」 しかし扉には、デバ石の端末と、小さな文 …
第一章 アイアイの大冒険 第一章⑧ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 王都ザラーリンの中へ足を踏み入れたとたん、空気が変わった。 外の風の流れとは違う、どこか止まったような空気。街の中心部に近づくにつれ、その静けさは重さを帯びていった。 …
第一章 アイアイの大冒険 第一章⑦ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ くぐもったような声が、草むらの向こうから響いた。 アイアイはびくりとして顔をあげた。 アイアイは暗がりから焚き火の明かりの中に入ってきた人物に急いで焦点を合わせた。 …
第一章 アイアイの大冒険 第一章⑥ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ アイアイは、自分がまだ子どもで一人旅をしているのを不審に思って入城を断られたのだと思うことにした。デバ石のことは適当なことを言って追い払うための口実だったのだと。思えば、入城を待 …
第一章 アイアイの大冒険 第一章⑤ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 夕暮れが近づくころ、丘の向こうにようやくザラーリンの城壁が姿を現した。 陽の光を浴びて赤く染まる石造りの壁は、高く、厚く、どこか冷たさを感じさせるような重々しい存在 …
第一章 アイアイの大冒険 第一章④ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ なにかの聞き間違いだと思ってアイアイは特に気にしなかったが、まわりを見回したことで別のあることが気になった。 「おばあさんは、デバ石はもっていないんですか?」 この世 …
第一章 アイアイの大冒険 第一章③ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 川を渡り、午後になったころ、小さな林を抜けた先で、一本の煙が空に向かって細く立ち上っているのが見えた。 近づいていくと、そこには旅装束をまとった年老いた老婆が腰を下ろし、焚 …
第一章 アイアイの大冒険 第1章② Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ それから少し進んだ先で、小さな川が現れた。細く蛇行するその流れは透明で、底の石がはっきりと見えるほどだった。 川縁に腰を下ろしたアイアイは、ポケットをさぐり、カラスの嘴から …
第一章 アイアイの大冒険 第一章① Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 水平線の向こうへとつづく一本の街道を、ひとりの少年が歩いていた。 朝からの霧はまだ晴れておらず、見渡す先には、かすんだ丘の稜線がぼんやりと浮かんでいた。上空には1羽のカラス …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑳ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ アイルは診断室の白い天井を見上げたまま、先程、聞いた小さな声を思い返していた。 ――「アイル…ダイジョブ…ブブブ…ダイジョブ」 胸のあたりで光がふるえる。膝に乗ったモ …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑲ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 扉の向こう、図書室の空気が揺れている。扉の向こうの空間に、羽音が静かに混じっていく。 「……来ましたね。ふー……探しています」スペーラーが扉に耳を当てて言った。 「ど …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑱ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ シーカーは、ただ走っていた。どこへ向かっているのかもわからないまま、ただ追い立てられるままに。 背後から、羽ばたきと金属の擦れる音が迫ってくる。 「侵入者、北側回廊に移動! …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑰ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 光の中を漂い、浮いた体は何度、回転したのだろうか。眼前を覆いつくす青白い光がはじけた瞬間、シーカーは背中から着地した。痛みを堪え、勢いよく体を起こし、あたりを見回す。 胸が …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑯ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 「そうです。その仲間の名前がシーカーです…」アイルは泣き出しそうな声とともに言った。 簡易診断室は、白い石壁に囲まれた静かな部屋だった。天井の淡い光が脈打ち、部屋全体に柔ら …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑮ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ アイルはメリウス先生のあとを歩いていた。学舎の廊下はひんやりと冷たく、まるで建物そのものが静かに息をしているようだった。 壁際には古い書物と器具が並び、棚には研究員たちが扱 …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑭ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 落下する、というよりも――浮かんでいた。重力の感覚が消え、足も腕も、身体そのものの輪郭さえ曖昧になる。光だけが流れ、色だけが揺れ、耳の奥で風のようなものが鳴った。 やがて― …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑬ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 静寂を破ったのは、スペーラーのため息だった。「えー…最良のパターン、転送装置。最悪のパターン、処刑装置……ふー」「ふーっじゃないですって! スペーラーさん!!」シーカーの大声が響 …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑫ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 朝靄の残る霧丘を、三人は歩いていた。夜の冷気がまだ地面に残っていて、草の先に露が光る。遠くで鳥の声がした。アイルは深呼吸をして、胸の奥まで冷たい空気を吸い込んだ。「朝っていいね。 …
第五章 アイアイの大冒険 第五章⑪ Hikasawa Kikori ヒカサワキコリブログ 夜が深まるにつれ、霧丘むきゅうはさらに静かになった。灯りがテントの内部を冷たく照らし、出入口の向こうで木々が擦れる音がときどき止み、また遠のく。アイルのテントには、ランプの光とは …